file 10 お気に入りの家具を生かす白い箱のシンプルキッチン。

Hさんは家具や雑貨が大好きで、年月をかけて出会った自分の好きなモノを大切に集めてきました。六甲山のふもとの築48年の集合住宅の一室をリノベーションするにあたって、Hさんがオーダーしたことはただひとつ、「これまで使ってきた家具を置ける白い箱をつくってください」ということ。一つひとつ買い集めた家具、例えばトラックのテーブルやシェルフや村上レシピのキッチンワゴンなど、自分たちの気に入ったモノが生きる空間にしたいということでした。

キッチンは潔いシンプルさ。キャビネットのデザインは、これまで使っていた戸棚と同じシリーズかと思うほど自然になじみ、無垢の床は素足でも心地いい質感。真っ白な空間に最小限の家具を配し、うつわや生活道具は棚の中や収納スペースにすべてしまうことで、凛とした空気が漂う白いキッチン＆ダイニングルームができあがりました。